サウナ文化研究家こばやしあやなさんゲスト講師!「フィンランドサウナに学ぶ新しい豊かさ」
ノースオブジェクトでは、北欧について楽しく学ぶ社内勉強会「オッピミサイカ」を毎月開催しています。北欧の人々のライフスタイルをヒントに、子育てママ、ファミリーに「手に届く豊かな暮らし」を提案するノースオブジェクトにとって、北欧の豊かさや考え方、文化を学ぶことはとても重要だと考えるからです。
オッピミサイカとは、フィンランド語で「学びの時間」という意味。普段業務で直接は関わらない人同士がこの勉強会に参加し、一緒に学び考えワークなどをすることで、部署を超えた横の繋がりも持てるとても良い機会だと思っています!
フィンランドサウナに学ぶ新しい豊かさとは!?
2018年12月14日(金)にフィンランド在住の“スオミのおかん”こと、こばやしあやなさんをゲスト講師にお招きし、「フィンランドサウナに学ぶ新しい豊かさ」を学ぶ社内勉強会を開催しました。こばやしあやなさんは「公衆サウナの国フィンランド」を出版されたサウナ文化研究家でもあります。
サウナとは、日本で最も有名なフィンランド語ではないでしょうか。しかし、サウナと一言で言っても日本で想像されるサウナよりはるかに奥深い背景があることを学びました。
フィンランドではサウナが心も裸になった状態で人が人と出会える場所。裸になれば、性別、国籍、宗教、肩書など関係なし!誰もがフラット。偶然サウナで話し込んでいた人とそこからビジネスが始まったという話もあるそうです。
一方でフィンランド人が尊重するのは1人の時間。それはサウナが、自分自身の身と心の快楽を求める場所でもあるからです。誰かに合わせなくても良い。パーソナルスペースをお互いに守ります。沈黙とわいわい出来る時間が良いバランスで融合されている空間。サウナは、心地よく自分たちらしく創造できるコミュニティー空間なのです。
そして、サウナでは素っ裸で無防備です。信頼出来ないと裸ではいれません。精神的にも心から安心して快楽を得るためには、自分がリラックスしている必要があります。そのためには他人であっても周りの人を信用したいし、自分も周りから信用される人間でいるように気を配ります。気を配ることで思いやりが生まれます。そのように、サウナを通して信頼しあうことが自然とできるようになっているのだなと感じました。
またフィンランドのサウナにはマニュアルがないそうです。日本の銭湯みたいに、「タオルはお湯につけないでね!」とか「こんな順番で入ってくださいね!」といった張り紙も一切ありません。マニュアルがなかったら、自分たちで物事の善し悪しを判断するようになります。自分の頭で考えるようになります。
もし常識外れな人がいても、その人はその人なんだからしょうがないよねとその人たちに委ねます。ルールも任せます。自分がされたくないことは人にもしない。人が違うことをしても、その人の生き方や価値観を尊重します。他人を認めるという文化がフィンランドには根付いているのだと思います。サウナはその心がないとなかなか続きません。
以上のようなお話をたっぷりお聞きし、フィンランドのサウナを支える「多様性と寛容さ」こそが、フィンランドの人々のもつ豊かさなのだと感じた勉強会でした。社内でもプライベートの人間関係においても、自分も相手も尊重し、多様性を認め合う関係になったらいいなぁと改めて思いました。

2011年夏にフィンランドに移住し、ユヴァスキュラ大学大学院の現地語修士過程にて芸術教育学を勉強するかたわら、「Suomiのおかん」の屋号を掲げて、在住ライター/コーディネーターとしてのフリーランス活動をスタート。2016年春、大学院を修了後にフィンランドで開業届を出し、それまで経験を積んできた執筆・メディアコーディネーション活動に加えて、翻訳通訳、視察手配などにも対応できるオールラウンドな個人事業をしている。2018年初書籍「公衆サウナの国フィンランド」を出版。