フィンランドのおうち時間~家族でほっこり北欧の香り溢れるお菓子作り~
世界的にウイルスが流行している現在、外出自粛・自宅待機を余儀なくされ、
「自宅での時間をどのように過ごすか」を考えることが多くなりましたね。
フィンランドでは5月1日にVappu(ヴァップ)、英語で言うメーデーを迎え、ようやく長く寒い冬を明けて、
春を迎えると同時に間も無く夏がやってくることを祝う祝日を終えました。
まだ風は少し肌寒いですが、外気温も10度を超える日が多くなり、
外出自粛を求められる中でも太陽の日差しを求めて人混みを避けつつ
外のベンチに腰掛ける人、自然公園へ赴く人を多く見かけます。

Turku(トゥルク)市を流れるアウラ川沿いにて
感染拡大のニュースが毎日報道され、フィンランドでもいよいよ危機感を身近に覚え始めた3月中旬頃、
日本や他国で発生した食料品の買い占めと同様に、
フィンランドのスーパーマーケットでも一時的に異常な光景が見られました。
肉やパスタ、缶製品が棚から消え、中でも衝撃的だったのが小麦粉でした。
通常1袋1kg量で販売されている製品が多いのですが、まるでパン屋さんでも開くかのように
1台の大きなカートに4、5袋入れている家族も見かけました。
自宅待機期間中のフィンランド。家族とのおうち時間の過ごし方とは?
家で家族との時間を過ごす上で毎日欠かせないコーヒータイム。
そのお供として小麦粉を使用したパンや焼き菓子などのおやつを手軽に作ることも、
北欧の人々の暮らしには自然と欠かせないものなのかもしれません。
フィンランド人のホストファミリーによると、日曜日は「家族の日」なのだそうで、
特に今の自宅待機期間は子供達と一緒に森歩きをしたり、
お菓子作りをしたりすることで家族の時間を大切にしているとのことでした。
皆さんはフィンランドのお菓子と言えば何を思い浮かべますか?
砂糖をまぶしたカルダモンの香り溢れるプッラ?
コルヴァプースティと呼ばれるフィンランドのシナモンロール?
どれも美味しくてコーヒーにぴったりのお菓子ですが、
今回ご紹介したいお菓子は、元々はドイツ発祥と言われるマーブルケーキです。
フィンランドではその見た目から Tiikerikakku(ティーケリカック)=「虎ケーキ」
という名前で知られており、とても一般的な家庭のお菓子なのだそう。
ボウルに材料を混ぜて焼くだけの簡単なお菓子で、子供達と一緒に作るのにぴったり。
レシピはフィンランドで有名な乳製品会社Valio(ヴァリオ)社より紹介されているこちらのものを参考にさせていただきました。
https://www.valio.fi/reseptit/tiikerikakku/
こちらのレシピの素晴らしいところは、店でなかなか見つけられない
無塩バターではなく有塩バターで作れるところ。
焼き時間は約1時間と少し長めですが、発酵などの手間がかからず失敗する心配もありません。
フィンランドの家庭の定番お菓子「Tiikerikakku(虎ケーキ)」の作り方をご紹介♪
以下にレシピを訳したものを紹介させていただきます。
★ Tiikerikakku(ティーケリカック)
<時間>約1時間20分(内、焼き時間50〜55分)
<人数>約25スライス分(直径23cm型)
<カロリー>376kcal/100g
<材料>
・有塩バター 200g
・砂糖 200g
・卵 3個
・小麦粉 400g
・ベーキングパウダー 小さじ2
・バニラエッセンス 小さじ2
・生クリーム 100g
・ココアパウダー 大さじ2
<レシピ>
➀型にバター(分量外)を塗り、オーブンを175度で余熱にかけます。
➁室温に戻すか、細かく切ってオーブンに少しかけ柔らかくしたバターと砂糖をAボウルに泡立て器で混ぜます。
室温に戻した卵を 1つずつ加え、都度よく 泡立てます。
➂別のBボウルに小麦粉・ベーキングパウダー・バニラエッセンスを加えます。
濾し器にかけながらAボウルに少しずつ加え、合間に生クリームも加えつつ、都度よく混ぜます。
➃Aボウルの1/3 を先ほど使用したBボウルに入れ、ココアパウダーを加え混ぜます。
(別ボウルを使用してもいいですが、洗い物を減らすことができます)
➄Aボウルの半分を型に流し込み、全体の1/3を敷き詰めるようになだらかにします。
その上に B ボウルのココア生地を同様に流し込みます。最後にAボウルの半分を流し込みます。
➅全体的にフォークで穴を作ると見た目が綺麗なストライプ状に仕上がります。
➆175度のオーブンで50〜55分程焼きます。串を刺して確認し、完全に焼きあがるまで様子を見てください。
※焼き上がりも美味しいですが、少し冷やしておくことをおすすめします。
※冷凍可能です。乾燥しないようにラップやアルミホイルでしっかりと包み、召し上がる前に冷蔵庫で解凍してください。
ちなみに、フィンランドの料理レシピにはよく rkl、tl の表記を見かけます。
rkl は ruokalusikka(ルオカ・ルシッカ)、tl は teelusikka(テー・ルシッカ)の略字であり、
ruoka は食事、tee はお茶、lusikka はスプーンを意味し、
rkl (食事スプーン)=大さじ、tl(お茶スプーン)=小さじを意味します。
フィンランド独自に虎ケーキという愛称で呼ばれる、その見た目も可愛らしい(ワイルドな!?)お菓子をお供に、ご家族でほっこりおうち時間を過ごされてみてはいかがでしょうか?
【この記事を書いたノースの仲間たち】

<おねぎ>
フィンランドの自然溢れるホストファミリー家でオペア生活を経る。 ムーミン谷の住人の仲間になることを夢見ている