ノルウェーで子育て ~妊娠編~
今回は、2019年1月に第一子を出産した際に、私が経験したノルウェーでの妊娠生活、主に妊婦健診について紹介します。
ノルウェーでは、妊娠が分かった場合、かかりつけ医または地区の保健センターで妊婦健診を受けられます。
保健センターの場合は、助産師が検診するため、薬が必要な場合は、医師の診断を受ける必要があります。
私の駐在形態は、日本の健康保険に加盟している状態ですので、こちらにかかりつけ医はおらず、保健センターを利用しました。
日本では、かかりつけ医は自分で選ぶというイメージがありますが、
ノルウェーのかかりつけ医は、コミューネ(kommune、日本の市に該当)から一人一人に割り当てられます。
まず自分がどの地区の管轄内にあたるか、オスロコミューネのホームページから調べました。
ホームページでは住所から検索できるようになっています。

オスロコミューネのホームページ
妊婦健診の頻度と内容は下記の通りです。
・6~12週(1回):妊婦用保健カードの作成、産科病院の選択、血液検査、尿検査
・18週:産科病院での超音波検査
・24週、32週、36週(各1回):血圧・尿検査、腹囲計測、胎児心音聴取
・38~41週(各1回):血圧・尿検査、腹囲計測、胎児心音聴取、胎児の位置の確認
もし逆子状態であれば、この時期に再度超音波検査をします。
簡単な検査 超音波検査は1回のみ!
日本の場合、毎回超音波検査をするかと思いますが、ノルウェーは通常1回だけです。
母体に異常がなければ、簡単な検査で終わります。
妊娠中に、胎児の体重はどれくらいと他の駐在者に尋ねられたのですが、
私としては、そんな検査を受けていないので、胎児も体重が分かるのかと驚きました。

薬局で買える検査容器
ノルウェーの妊婦健診は全て無料ですが、1つだけお金がかかることがあります。
それは、自分で尿検査容器を買う時です。
薬局で1つ300円程で手に入れることができます。
私は出産してから気付いたのですが、私立のクリニックでは約2万円で3D超音波検査を受けられるみたいです。
1回だけでは物足りなかったり、不安があったり、胎児の成長を見たい人には、私立のクリニックへ行く方がいいかもしれません。

保健センターで配布される雑誌
オスロに産科病院は2カ所しかありません!

リークスホスピターレット(病院ホームページより)
日本は産科病院がたくさんあり、どこにしようか選ぶことも妊娠生活での楽しみかもしれません。
オスロでは2カ所しかありません。
1つはリークスホスピターレット(Rikshospitalet)、もう1つはウッレヴォール・シューケフース(Ullevål Sykehus)です。
どちらもオスロ大学の大学病院で、何かあった時もすぐに対応してもらえるという安心感がありました。
最初の妊婦健診で2カ所しかないと知ったので、私は家から近い方を選択しました。
出産経験者から後で聞いて知ったのですが、リークスホスピターレットの場合は、産科病棟で入院するようです。
ウッレヴォール・シューケフースの場合、産後の経過がよければ、患者用ホテルに移されます。
一人部屋でダブルベッドですので、パートナーが一緒に泊まることができます。

ウッレヴォール・シューケフース(病院ホームページより)
出産前教室は基本ない!?
日本の場合、母親・両親学級があるかと思いますが、オスロには公立で提供される教室はありませんでした。
初めての出産に不安があったため、私は私立のクリニックが産科病院で開催している出産準備教室に参加しました。
1人約8000円で参加できます。
私が参加した時は、6組参加しました。
私たち夫婦以外の他5組は夫婦ではなく、サンボという、いわゆる法的に保障されている事実婚状態のカップルでした。
出産準備教室は1回限りで、内容は出産の3つの段階でどんなことが起きるか、胎児がどのように産道を通るか、
当日は何を持ってくるべきかについて、リアルなイラストや写真を混ぜながら説明を受けました。
ノルウェーでは、安心を買いたければ、お金を出し、
基本的なことでよければ、無料の妊婦検査を受けるというスタンスだと思います。
個人的感想としては、助産師や周囲から厳しい言葉を受けることもなく、
大変なのはつわりくらいで、その他はストレスフリーな妊娠生活を送ることができました。
【この記事を書いたノースの仲間たち】

<エリー>
大学でスウェーデン語を専攻。 そこで出会った夫と現在ノルウェーで駐在生活を送る一児の母。