ノルウェーで子育て ~離乳食編~
ノルウェーの離乳食はそれぞれの子どもに合わせて、早くて月齢4ヶ月、
日本と同じく遅くとも6ヶ月には始めるよう保健師から指導を受けます。
ノルウェーはオートミール王国
お米大国の日本は、10倍粥から始めますが、
離乳食のレシピ本や情報誌で「オートミール王国」と書かれているように、
ノルウェーではオートミールが第一歩目です。
店頭では、お湯を注いで混ぜたら出来上がりという、
とても簡単な粉末状のオートミールの素が売られています。
ほとんどがミルクベースのオートミールで、
パッケージには対象月齢が書かれており、
プレーン味からフルーツ味がついているものまで売られています。
市販のオートミールには鉄分が含まれているので、
自家製を作る際には、鉄分が不足しないよう注意が必要だと言われています。

店頭に並ぶオートミールの素
オートミールは粉末状だけでなく、持ち運びに便利なパウチタイプも売られています。
パウチタイプは常温で与えることができますが、
一度封を開けた場合は、冷蔵庫で保存し、
24時間以内に食べきらなければいけません。
ノルウェーのベビーフードは、ネスレの商品が一番多く、
他には、スウェーデンのセンペル(Semper)、ドイツのヒップ(HiPP)、
イギリスのエラズ・キッチン(Ella’s Kitchen)やオルガニックス(Organix)が販売されています。

パウチ型のオートミール
ノルウェーでは離乳食は果汁から始める?
日本の昔の育児で取り入れられていたように、
離乳食を始める前に果汁からスタートする人もいます。
日本では果汁から始める必要はないと現在言われていますが、
ノルウェーでは各家庭の考えに任せているように思われます。
保健センターに相当するヘルセスタション(Helsestasjon)では、
バーシェルグルッペ(Barselgruppe)と呼ばれる8組からなる子育てグループがあり、
そのグループで月齢4ヶ月の時に、グループ検診を受けました。
検診では離乳食の相談もあり、果汁から始めようと考えていると伝えた家庭には、
特に保健師からの否定はありませんでした。

パウチ型で販売されるフルーツジュレ
私が各家庭に任せているように感じたのは、このような経験があったからです。
日本で検診を受けたことがないため日本の場合は分かりませんが、
ノルウェーでは保健師から手取り足取り教えてもらうというより、
自分がしっかり調べた上で、検診時に相談するという姿勢が大切になってきます。
子どもにとって大きな問題がなければ、否定されることはなく、
間違っている場合はきちんと正してくれます。
8ヶ月からはほぼ何でもOK
日本の離乳食指導では、食材によって何ヶ月から食べられると細かく決められていますが、
ノルウェーでは、8ヶ月を迎えるとほぼ何でも食べてよいと指導されます。
もちろん固さは月齢に合わせて調整します。
8ヶ月を迎えると、4回食+必要であれば1~2回の間食になります。
この時期には、パンが解禁されるので、
レバーペーストを塗ったパンを手づかみ練習で食べさせるよう勧められます。

食事タイプのベビーフード
種類は少ないですが食事タイプのベビーフードもあり、
パウチ型とビン型が販売されています。
どちらも常温で与えられ、開封後は冷蔵庫保存です。
日本では、粉末状やレトルトタイプのベビーフードが数多く売られていますが、
ノルウェーでは種類が少ないため、バリエーション豊かな食事をとらせるためには
一から手作りすることが多いです。

食事タイプでビン型のベビーフード
離乳食 避けるべき物は?
公的機関が運営している、健康に関する様々な情報を載せた
Helsenorge.noというサイトには離乳食に関する情報もあります。
このサイトによると、下記の食品は子どもに与えるべきではないと言われています。
塩、砂糖、ハチミツ、シナモン、レーズン、硝酸塩を含む野菜(ほうれん草、ルッコラ、赤カブなど)、無機ヒ素を含むライスミルクやライスケーキ、牛乳
細かく何歳まで禁止という情報は割愛しています。
日本では定番のほうれん草が含まれているのが意外でした。
場所が変われば、離乳食の常識も変わってくるので、
その土地に応じた方法で離乳食に取り組むといいかもしれませんね。
【この記事を書いたノースの仲間たち】

<エリー>
大学でスウェーデン語を専攻。 そこで出会った夫と現在ノルウェーで駐在生活を送る一児の母。