短い夏を終え、季節が秋へと移り変わるこの季節。日によっては早くも冬の気配を感じられるようになります。
実は多くのスウェーデン人が「1年間で最も嫌いな月」として挙げる10月。
月の後半には時計を1時間遅らせ、欧州の「冬時間」がスタートし、日一日と暗い時間が増えていき、
辛く厳しい冬の世界へ向かって進んでいるようで気分が暗くなるのです。
そんな10月は、森の木々や大地が凍ったり雪に閉ざされてしまう前に森のアクティビティを楽しむラストチャンス!今回、現地のエピソードを届けて下さったダールマン家のファミリーにとって、
この時期のいちばんの森でのお楽しみは「キノコ狩り」。
まるで宝探しのようにワクワクドキドキなキノコ狩りを楽しみながら過ごす森での時間は、
これから向かう長く厳しい冬への心の準備であるとともに、夏の間、湖で泳いだり、ベリーを摘んだりして
たくさんの自然を楽しませてもらった森に「ありがとう」を伝える時間でもあるそうです。
今月の北欧コースは、ダールマン家のファミリーが実際に森の中で楽しんでいるお食事をイメージ。
森の恵みや自然を身近に感じられる、スウェーデンの秋のお料理をお届けいたします。
【お品書き】
秋の具沢山ファシュクポテートサラダ
【Story】
スウェーデンの学校では、10 月下旬に「ジャガイモ休暇」と呼ばれる一週間ほどのお休みがあります。1940 年代、ジャガイモの収穫を子供たちが手伝うための休暇を設定したのが始まりで、今ではこの休みに合わせて親も休暇をとり、小旅行に出たり森で自然に親しんだりして過ごす、秋のお楽しみ休暇となっています。この休暇にダールマン家では、家族そろって今年も森へキノコ狩りへ。誰が沢山収穫できるかな?ご飯は何を作って食べようか?と、楽しい計画を立てながら、ある日の夕食を楽しみます。
【Menu】
本日の前菜は「Story」に登場するジャガイモ休暇にちなみ、スウェーデンのイモ料理、ファシュクポテートサラダを。ジャガイモのほくほく感とフレッシュ野菜と海鮮の組み合わせが楽しい、秋の具沢山サラダをお楽しみください。
カールヨハン(ポルチーニ茸)と
ベーコンのクリームスープ
【Story】
ダールマン家にとって10月の大きな森での楽しみ、キノコ狩り。あちこちにある、手つかずの深い森に分け入り、キノコを求めて歩き回ります。野生のキノコは、実は簡単に見つかるものではなく、毎年よくキノコが採れる場所はとてもレアなスポットで、「スウェーデン人の秘密は年収とキノコの場所」などといわれるように、キノコが採れる場所は自分だけの秘密にします。キノコ狩りでは様々な種類のキノコを採る事が出来ますが、なかなかお目にかかれず、「カールヨハン」と呼ばれるポルチーニ茸を見つけたら誰もが大喜びです。
【Menu】
ポルチーニ茸をメインで使い、エシャロットやにんにくのみじん切りを炒めてビネガーや生クリーム、ブイヨンを合わせ、ベーコンや粉チーズをトッピングしています。芳醇で濃厚なポルチーニのクリームスープをお楽しみください。
ローストラムといろいろキノコのごちゃまぜ焼き
【Story】
ダールマン家のファミリーにとって、キノコ狩りで訪れた森でのもう一つの楽しみは、ごはんを食べること。自分たちで探しあてたばかりの、宝石のような採れたてキノコを使った料理や、焚火で焼いたお肉といった、シンプルでありながら、身体も心も温まるお外ご飯を囲みながらの森時間は、まさに至福のひとときです。
【Menu】
ダールマン家が森の中で楽しんでいるお食事をイメージしたひと皿。素材の味を引き出して焼いたラムに、ハーブ風味のヒラタケ、アンズダケ、キャベツを加えたごちゃまぜ焼きを添えて。岩塩やマスタードなどで味を変化させてお召し上がりください。
秋の森のパンケーキ
~りんごのソテーと洋なしのカラメリゼ添え~
【Story】
FIKA文化のあるスウェーデン。森でのアウトドア料理でも、もちろんデザートは欠かせません。桃やりんごなどのフルーツを焚火でカラメリゼしたものを添えたパンケーキは、ダールマン家でよく登場するアウトドアデザートです。熱々のパンケーキに、甘酸っぱくほろ苦いフルーツの組み合わせは、お腹がいっぱいでもぺろりと食べられる美味しさ。秋の森の澄んだ空気の中、美味しいデザートと共に焚火を囲んで過ごすFIKAタイムは、特別な時間となります。
【Menu】
ダールマン家お気に入りのデザートをイメージし、シナモンを効かせてソテーしたリンゴと、カラメリゼした洋梨を添えたパンケーキ。ぜひ温かいうちにバニラアイスを絡めながらお召し上がりください。