
~新緑のスウェーデン 彩りあふれるリィリエダール家の食卓~
5月になるとスウェーデンにも本格的な春が到来。
新緑の中に色とりどりの花が咲き、公園だけでなくマンションの中庭にも絵にかいたような花畑が広がります。
日中は15度程で太陽の光があたたかく、半袖になる日も増えてくる頃。
庭や公園にはウサギが現れ、親鳥がひなを従えて歩く微笑ましい光景も見られます。
21時半でも外はまだ明るく、長い冬の反動か人々は夜遅くまで活動的になりがちです。
5月1日はスウェーデンの数少ない祝日であるメイデー。労働者のためのパレードやデモが行われる他、
公園はライブやピクニックを目当てに多くの人で賑わい、みんなお祭り気分で祝います。
もうひとつの楽しみが、5日間に渡り欧州各国代表の歌手がパフォーマンスを競う
ユーロビジョン・ソング・コンテスト。
近年では国民食ともいわれるタコスを片手に家族でテレビ鑑賞し、学校や職場でもこの話題で持ちきりです。
そして最終日曜は母の日。家族の絆を深め、感謝の気持ちを表現する大切な日とされています。
今月の北欧コースではリンシェーピン在住のリィリエダール家から届いたエピソードをもとに、
彩り豊かな食卓を再現しました。
この時期のスウェーデンならではの春の喜びに満ちた品々をぜひお楽しみください。
【お品書き】

スウェーデン風タコスのサラダ仕立てプレート
【Story】
音楽好きのリィリエダール家が毎年楽しみにしているユーロビジョンは、ヨーロッパ各国の歌手によるコンテスト。そのテレビ鑑賞に欠かせないのがタコスです。スウェーデンにはどのスーパーにも必ずタコスコーナーがあり、金曜日は「タコスの日」として浸透しています。女性も就労率が高いこの国では、金曜は普段より早く仕事を切り上げて家族や友人と自宅で過ごす「fredagsmys(フレーダスミィース:まったりフライデー・居心地のよい金曜日)」という文化があります。そんな日には手軽に準備ができて野菜もたっぷり摂れるタコスがぴったりで、国民食として定着しています。ユーロビジョンの決勝日は週末なので、リィリエダール家の食卓にももちろん登場。
【Menu】
前菜はStoryにも紹介された現代スウェーデンの定番・タコスをサラダ仕立てにしました。アボカド、トマト、レッドオニオンを、塩、レモンで爽やかに味付け、挽肉はピリ辛に仕上げています。春らしく色鮮やかなひと品をご堪能ください。

スパリソッパ(Sparrissoppa)
~アスパラガスのスープ~
【Story】
5月と言えばメイデー。フィンランドでは「Vappu」として知られているものです。スウェーデンでも多くの都市でパレードやデモが行われる他、大きな公園ではライブやフード出店のあるイベントが開催され街は大変な賑わいに。友達や家族と出かけてお酒を飲んだり、ピクニックをするのも定番です。長い冬の間粛々と内にこもっていた人々は、何かがはじけたかのようにこの5月1日を皮切りに屋外でのアクティビティを謳歌し始めます。
このように外で過ごす1日ではありますが、夜には気温が10度を下回ることが多く冷え込みます。そうした中でも旬を楽しみたいリィリエダール一家は、夕食に春らしさを感じながらも体も温まるアスパラガスのクリーミーなスープを作ります。
【Menu】
バター、玉ねぎ、じゃがいもと一緒にアスパラガスをじっくりと炒めてうま味を引き出し、ブイヨン、塩で味を整え、牛乳、クリームを加えてまろやかに。仕上げにゆでたまごをトッピング。スウェーデンの新緑を思わせるひと品となっております。

マリネードポークロースト
ハッセルバックポテトを添えて
【Story】
5月の最終週の日曜は母の日。旬を迎えるチューリップの花束や好みのプレゼント、手紙などを贈り、日頃の感謝の気持ちを伝えます。普段からBBQが大好きなスウェーデンの人々は、母の日は自然を散策してから自然豊かな場所でBBQをしたり、普段より豪勢な具材にするなど少し特別バージョンで楽しんだりもします。高級レストランに行くより自然と共に家族とのアクティビティを大切に過ごすのがスウェーデン流。家族が健康で、何気ない日常こそがお母さんたちにとって何よりの幸せでありプレゼントなのです。日頃から料理をする男性も多い国なので、パパが腕をふるって料理をすることも珍しくありません。そのため特段の新鮮味はありませんが、子どもと協力して作ってくれたいつもより少し豪華なBBQにママも大喜びです。
【Menu】
本日のメインではリィリエダール家のひとときを再現したひと品。半日かけてじっくりマリネし、香ばしく焼き上げたポークに、日本でも旬を迎える新じゃがで作るスウェーデンの定番料理・ハッセルバックポテトを添えてご提供いたします。

プリンセストルタ(Prinsesstårta)
-母の日の花束デザートプレート-
【Story】
スウェーデンにおいても母の日は家族の絆を深める大切な日とされています。母親自身がリフレッシュできる時間を持つことが大切とされているので、家族がスパやマッサージの予約をしプレゼントするというトレンドもあるようです。また近年は、母の日仕様にかわいくデザインされたピンクの「プリンセストルタ(Prinsesstårta)」が見られるように。元々はグリーンのマジパンでスポンジケーキ、クリーム、ラスベリーを覆ったこのお菓子は、1920年代にスウェーデンの王女マルガレータの誕生日を祝うために考案されたことが起源とされています。冒険心が控えめでカフェやベーカリーでも定番の北欧菓子しかないスウェーデンでは珍しい、カラーアレンジされたスイーツは母の日のフィーカやデザートにも喜ばれそう。
【Menu】
スウェーデンの母の日をイメージをしたデザートは、ピンクのプリンセストルタ、ワッフルに季節のフルーツを添えて花束に見立てています。母の日ならではのカラーアレンジされたデザートプレートをごゆっくりとお楽しみください。