
『ホリデーシーズンを待ちわびる、あたたかな冬の始まりの食卓』
本格的な冬が始まる11月のスウェーデン。
日照時間が短くなり朝7時半になっても街灯がともります。外が薄暗いぶん、
家々の窓辺に灯るランプやアドヴェントスター(Adventsstjärnor)の飾りが一層輝いて見えます。
ストックホルム在住のハートマン(Hjertman)一家は、
眠気の残る中で朝食をすませて子どもたちを保育園に送り、仕事に向かう日々が続きます。
平均気温は0℃前後で、朝晩は氷点下になることもあり、外出時にはしっかりとした防寒対策が必要です。
寒くて暗い日が続くため、オフの時間も家族での屋内の過ごし方が中心になります。
自宅で温かい食事を囲んだり、映画を見たり、キャンドルを灯してゆったりした雰囲気を楽しむ家庭が多いです。
そんな静かな11月ですが、人々の心はどこかワクワクしています。
翌月のクリスマスに向けて大切な人へのプレゼントを考えたり、
マーケットの始まりを心待ちにしたりと、小さな準備が少しずつ始まるからです。
職場のフィーカでも、同僚たちとの話題はクリスマス休暇の計画や
ブラックフライデーの買い物話で盛り上がります。
学校では子どもたちがクリスマス飾りやカードづくりに夢中になり、
家ではアドヴェントカレンダーが飾られるのを指折り数えて待っています。
今月の北欧コースでは、そんな11月の一家の食卓を再現しました。
暗さと寒さの中にも温かさを見出しながら、クリスマスという大きな喜びを静かに待つ、
心やわらぐ季節の味を、どうぞご堪能ください。
【お品書き】

ケールとスモークサーモンのサラダ仕立て
【Story】
共働き世帯が多いスウェーデン・ストックホルムのハートマン家では、平日は忙しく過ぎていきます。冷たい雨や霧が多い中、通勤・通学する日々のご褒美は、たまに楽しむレストランでのランチです。本日の前菜は、その味をヒントにしました。ケール、旬の芽キャベツの緑に、サーモンとザクロの実で彩りも鮮やかです。寒い時期でも元気が湧いてくるひと皿です。
【Menu】
ケールや芽キャベツにスモークサーモンとザクロを添え、オリーブオイルとヴィネガーのシンプルなドレッシング で味わう、彩り豊かなサラダです.

里芋とジャガイモのクリームスープ
【Story】
11月に入り、ストックホルムは本格的な冬の始まりです。平均気温は0℃前後、朝晩は氷点下になることも珍しくなく、体の冷えを感じる頃です。そんな季節に恋しくなるのが、滋味深く温かなスープ。一家のお気に入りであるこのクリームスープは、日本では里芋として知られる根菜がベースです。栄養たっぷりの温かい味をご堪能ください。
【Menu】
里芋がベース。じゃがいもを加え、タイムとレモンの皮で香りづけ。セロリ葉のフリットを添え、トリュフオイルを効かせた、濃厚ながら上品なスープです。

鶏肉のオーブン焼き プルーン添え
【Story】
寒くて暗い日が続く11月は、家族での屋内の過ごし方が中心となります。夜にはキャンドルを灯し、ゆったりした雰囲気の中、食卓を囲む家庭が多いです。本日のメインは、そんな温かい家庭の食卓を再現しました。スウェーデンの家庭料理らしい素朴さと特別感が両立した、ママのお気に入りのひと皿です。
【Menu】
鶏肉をフライパンで香ばしく焼き、ブイヨン、生クリーム、プルーンと一緒にオーブンで煮込みました。プルーンのやさしい甘さが秋冬にぴったりです。

ホワイトチョコとサフランのパンナコッタ
ルッセカット風
【Story】
11月の後半からアドヴェント(待降節)が始まり、人々は翌月のクリスマスという大きな喜びを静かに待ちわびます。アドヴェント期間のフィーカタイムには、サフランで黄色に色づけられたルッセカット(甘いパン)が登場します。この黄金色は暗い北欧の冬に「光」をもたらす存在とされています。今回は、ホリデー気分が高まるアレンジスイーツをご提案します。
【Menu】
サフランとホワイトチョコを使用したパンナコッタ。ホワイトチョコのまろやかさと、サフランの芳醇な香りをお楽しみください。ペッパーカーカ(ジンジャークッキー)を添えて。

